自分たちにコロシアイをさせ、その状況を生配信するという最悪に絶望な連中。それがクロマクの正体であり、本当の敵。対抗するためにはまず、ここから出なければならない。
キリギリが入手したモノクマの鍵なら、このゴミ捨て場の出口の鍵も開くはず。鍵を使用すると出口が開いた。やっとここから、抜け出すことができる。
チャプター6。非日常編のはじまり。最初から(非)日常編ではなく非日常編。
ゴミ捨て場の出口からは上方向に煙突状の空間が広がっており、壁にははしごが伸びていた。ナエギとキリギリはそのはしごを登り始めた。
あまりにも長く落ちることを考えてしまうと怖いため、ナエギは話をして紛らわそうとする。キリギリが超高校級の探偵となったのは、幼少期からであり、キリギリ家はそもそも探偵を生業とする一族だつた。探偵は光でも影でもなく、正義でも悪でもない。中立を保つからこそ唯一真実を手にすることができる。中立を保つため世俗から切り離れ、その存在は伝統と比して秘匿されてきたという。
キリギリはそれを誇りと考えている。ただ入学前にもキリギリの素性はしられてはいなかったが、そのために誇りを曲げたという。自分が超高校級の探偵である事を希望ヶ峰学園に売り込みに行ったのだという。
父親にあうのを楽しみにしていたのだと考えたナエギ。しかし、キリギリは一族から離れた父親と絶縁するためにここに来たという。とても頭の良かった父親は、探偵については忌み嫌っていた。キリギリの母親の死をきっかけに父親はキリギリ家から失踪した。キリギリは探偵に誇りをもっており、父親が連れ出さなかったことは感謝している。ただ唯一「父親に捨てられた子」とみられることだけは、許せなかった。父とは言っても血がつながっているだけで、心はつながっていない。だから絶縁して関係を断ち切りたいのが、キリギリの目的だった。重い話にナエギは口を閉ざし、残りのはしごを黙々と登りつづけた。
ついに天井にたどり着いた。キリギリはトラッシュルームの床に続いているはずという。トラッシュルーム側から鍵は開けておいたので、ひらくはずだと。
扉はひらき、そこから予定通りトラッシュルームに出ることができた。
これからどうするか、そもそも処刑から逃げてきたのに黒幕に見つかったらどうなるのか、キリギリにも危険が及ばないか心配するナエギ。それなら、モノクマに直接聞いてみようというキリギリ。どうせ監視カメラで見つかっているだろうし、追い詰められているのは黒幕の方なのだから、ナエギの心配しているようなことにはならないという。戦刃むくろの学級裁判でつけいる隙を作ってしまったのだから。体育館にいるはずのモノクマの所に向かうことになる。
体育館に行くと、当然怒りだすモノクマ。クロに対しておしおきをするのは校則で決まっていること。もう一度おしおきをすると言い出す。あわてるナエギだが、キリギリはそもそもあの学級裁判がキリギリをあぶりだし処刑するためのもので、キリギリがクロになる予定だった。しかし、ナエギがキリギリをかばったおかげでナエギがクロになってしまい、ナエギを処刑することになってしまった。モノクマにとってはナエギは脅威を感じ始めていたので処刑することにしたが、アルターエゴが処刑を邪魔した。
ナエギの処刑はクロが正しく指摘されたときのみというルールに違反している。そもそも戦刃むくろを殺したのは黒幕なのだから。キリギリの言葉に根拠を問うモノクマ。しかし、キリギリはあっさり根拠などないという。ただ、時間さえあればつかめるだろうというキリギリ。
もしナエギが犯人ならモノクマの前に現れたりせず、逃げ回っているだろうというキリギリ。それは根拠にもならないし、納得もしないモノクマ。
モノクマが納得しなくても、生放送を見ている人たちが納得しないと言い出したキリギリ。キリギリの指摘が図星だったからナエギを処刑すると考えられるし、「絶望」は「希望」を殺せない。もし黒幕が無実ならそれを証明したうえでナエギを殺せばいい。そうでないのなら、黒幕の負けなのだと。正々堂々と提案を受けろと迫る。
提案とは、戦刃むくろの学級裁判をやり直すこと。クライマックスにはいいだろう、「希望」が勝つか「絶望」が勝つか、最後の勝負をすることを受けるモノクマ。ただ、せっかくのクライマックスにただ犯人当てをするだけでは盛り上がらないといいだす。
最終対決として、学園のすべての謎を解けという。それができたらナエギたちの勝ち。それができなければ全員処刑。すべてを知った時の絶望が楽しみだというモノクマ。
最後に確認がある。学級裁判は生徒同士の間で殺人が起きた場合に行われるはず。それに対しモノクマは学級裁判が行われるのは間違いなく校則にのっとっている。そしてコロシアイ学園の参加者は、全部で16人の高校生だけ。コロシアイ学園生活が始まった後、希望ヶ峰学園に足を踏み入れた人間も16人だけという。
それは本当のことかという問いに、しばらく時間をおいて「話はもう終わり」と怒りだすモノクマ。全員処刑のスペシャルなおしおきを用意して待っているから、もう出ていけという。結果、ナエギは今の時点で処刑されることはなくなった。
ひとまず、ナエギの処刑はなくなり安心したが、なぜモノクマは提案に乗ったのか。キリギリは電波ジャックが黒幕のつけいる隙だったという。電波ジャックがリアリティーのないほど困難なことであり、それをわざわざやってのけた。そしてコロシアイ学園生活をさせることへのこだわり。希望の象徴であるこの学園の生徒同士でコロシアイをさせ、それを見せつけることで「絶望は希望より優れている」と証明させたかった。その目的ゆえ、黒幕は校則にこだわった。
校則を無視して殺すだけであれば、それは「殺し合い」ではなく「虐殺」。校則を侵してはいないキリギリをエノシマのように直接手を下すことはできなかった。表向きは学級裁判で手を下そうとしたが、ナエギのお陰でそれも失敗に終わり、犯人ではないナエギを処刑することになった。それを生中継でばらされたことで、提案に乗らざるを得なくなった。完璧な形でキリギリたちを叩き潰すために。
そんな黒幕の思惑をよくわかったというナエギに、確証のない推理だったというキリギリ。自信をもって話しているように見えたのは、ナエギが慌てないようにするため。自分自身も少しドギドキとしていたようだ。いずれにしろ、まだ戦うチャンスを得ただけ。とりあえずは、皆に協力を得るために説明をすることにする。ただ、そう簡単にはいかないとキリギリはいう。
食堂に着くといきなりモノクマ。でも会話できない。故障したかのようなかんじで、そのまま去って行った。
食堂にいた4人と再会。ただ、ナエギが臭いと遠ざけられた。さらりと各自の状況をきくが、新しく行ける場所も増えておらず、調査は行き詰っていたようだ。
ナエギは学級裁判のやり直しについて説明した。すべては黒幕の仕組んだ罠だったと改めて皆に伝えるキリギリ。罠に気づいたナエギがそれを阻止しようとしたせいで処刑されることになってしまったが、「クロを処刑」という校則に黒幕は違反した。トガミはすぐに電波ジャックを盾にして交渉したことに気づく。
学級裁判のキリギリの「追い詰められているのは黒幕の方」という言葉から推測していた。さらに、ナエギは説明する。最後の決戦として、学園のすべての謎を解き明かさないと全員処刑となる。
ハガクレは皆で協力すれば解決できるというが、キリギリは反対する。モノクマの言っていた「この学園に生きて足を踏み入れたのは16人だけ」。
つまり、最初にそろった15人と戦刃むくろを合わせた16人しか、いなかったことになり、生き残っているのはここにいる6人だけ。つまり、黒幕はこの6人の誰かということになる。モノクマが混乱させようとした可能性もあるが、そうでない可能性もある。もしこの6人の中に黒幕がいたとしたら、モノクマを操作できる機会が誰かにあったのか?うまく誘導すればできたかもしれないというトガミ。いずれにしろ、今の時点ではだれが黒幕かは言えない。
ここでモノクマから校内放送が入る。コロシアイ学園生活が「真の解答編」にはいるため、学園内のすべてのロックが解除される。好きに調べて学級裁判で会おうという。
捜査を開始するが、トガミは一人で行くという。トガミに置いて行かれて、フカワも一人で調べるという。キリギリも一人だろう。残るはハガクレ、アサヒナ、ナエギだったら、頼りにならないのでハガクレも一人で調べる。アサヒナも今まで誰の役にも立たなかったのだから、ここで一人で役立てるように調査すると。キリギリとナエギだけが食堂に残され、皆出て行った。
キリギリも一人で行くというが、別々でも協力し合えないわけではないという。ナエギも気を取り直す。別々に捜査してあとで調査結果を持ち寄って協力することもできるのだと。そして、キリギリも出ていき、ナエギ一人の捜査を開始する。
まずは、学園長室。そこにはトガミがいた。
トガミは面白いものを見つけたといって渡してきたのは第78期生の在学生名簿ファイル。78期生は自分たちを示すらしい。キリギリはこの名簿から戦刃むくろのページを抜き去ったと思われるが、慌てていたために2ページ目がある事に気づかなかったとトガミはいう。
そこには学園長の調査内容が記載されており、超高校級の絶望と戦刃むくろがつながっていると思われること、戦刃むくろの危険性、超高校級の絶望と称される組織の至急の調査が必要といったことが書かれているとともに戦刃むくろ自身の写真と体に傷がないことが記載されていた(ああ、そういうこと?つまり、学級裁判の死体はエノシマの死体なんだな、きっと)。
そして体形に関する情報もトガミから得ることができた。戦刃むくろの死体と比較してみたほうがいい。さらに、トガミはよく当たる自分の勘では、キリギリを信用し過ぎるなと忠告してきた。(なかなかいいヤツだ)
情報処理室ではアサヒナがいた。モノクマドアが気になるが爆発したりしたら怖いので開けられないらしい。ナエギに開けろと言う。
ナエギが意を決してドアを開くと、コックピットのような部屋に出た。操作パネルがいろいろあるのと、気になるのは足元に下につながっているようなドアがありそうなこと。
アサヒナは何も考えずに適当にボタンを押すと、隣の部屋から聞きなれた音がした。「情報処理室」とかかれたボタンを押したらしい。怖いのでナエギに見に行ってきてほしいという。
ナエギの想像どおりモノクマだった。しかし、操作しているのはアサヒナらしい。
ただ、モノクマドアの部屋からは何を動かしているのかは見えないらしい。自爆のボタンもあるが、押すなと言われてがっかりするアサヒナ。
アサヒナのいる部屋に戻り、状況を説明する。そして、操作パネルはモノクマの操作用だったことを伝えた。モノクマを操作するのはこの部屋で、監視をする部屋は隣の情報処理室。つまり以前キリギリが言っていたモノクマの操作と監視が同時にできないことになる。モノクマの言っていた16人しかいないことを考えると、誰かが黒幕でここで監視・操作をしていたのか…。あらためて、誰が黒幕のか考えに沈むナエギ。アサヒナはアサヒナで、ここが黒幕の部屋だとすると、何が仕掛けられているか怖いので外に出たいという。
情報処理室を出た途端、ガチャリと音がして鍵がしまった。慌ててドアをガチャガチャと回すが開かない。
そこにモノクマが現れる。情報処理室を封鎖したのだから当然だという。解放しておくとモノクマの操作に支障が出ると。つまり、いまいるモノクマは誰かが操作していることになる。部屋の床の扉。あそこに潜んでいたのか。あそこを調査できなかったことを悔やんだが、モノクマはどうせあそこは内カギだったから外からは開けないという。
部屋を出たいといったことに責任を感じるアサヒナ。どうせ内鍵で調べられなかったのだからしょうがないと慰めるナエギ。アサヒナにはこのことをほかの生徒に伝えてもらうことにした。
続いて武道場。フカワがいる。なにか手掛かりはなかったかと尋ねたが、何一つ見つからないという。フカワは自分が役立たずと思われるのが本当に嫌だから、なにか見つけたかったが見つけられないことに苛立ち怯えていた。いずれにしろ、ここではなにも見つからなかった。
植物庭園に戦刃むくろの死体を調べに行ってみた。しかし、死体はなくなっていた。鳥小屋にも物置にもない。
物置には例のビニールシートがあったが、それを再度調査してみる。ビニールシートにはよく見ると「生物室」のスタンプが押されていた。
生物室に入ってみた。異常に寒い。
よく見ると、ここは死体の安置所のように見える。ここに戦刃むくろの死体があるとして、どうやって開ければいいのかわからない。左半分の8個は青いランプが灯っているが、右は1つだけ青いランプが灯っている。
生物室のテーブルの上には説明書が置いてあった。そこには遺体安置用冷蔵庫の説明として、遺体が入っていれば青いランプが点灯すると記載されている。また内部の異常があった場合は赤いランプが点灯しアラームが鳴り響くということだった。(さて、ここでよく見ると、青いランプは9個しかついていない。のこった生徒が6人だとすると、遺体は10個のはず。やはり、戦刃むくろは死んでいないし、前回の死体はエノシマだったんじゃないか。と、想像。)
つづいて、寄宿舎の2階に行ってみる。行けそうな部屋は女子トイレを除いて5か所。手前から順に捜索する。
最初の部屋はボロボロのベッドがあっただけで、何ら手掛かりはなかった。また、男子トイレも調べられるようなものは何もなかった。
北の部屋はロッカールームだった。おそらく自分たちの先輩にあたる人たちのロッカーなんだろう。
ロッカーのほとんどはつぶれたり、外側からふさがれているため開けられないが、使えそうなロッカーが5つだけある。しかしどれもカードリーダーがあり、ナエギの電子生徒手帳では開けられなかった。
つづいて学園長室。ここにはキリギリがいた。前回調べたが、心残りがあるという。部屋にあるPCには超高校級の絶望は個人ではなく集団であり、1年前の人類史上最大最悪の絶望的事件を起こしたという情報がのこされていた。
キリギリの心残りは部屋の奥の隠し扉が開けないこと。PCのなかにそれらしきプログラムがあるがパスワードがかかっており色々試してみたが、開かなかったということらしい。
いろいろ試したとは言っていたが、ナエギはキリギリの名前がパスワードになっていることはないかと提案してみた。自分を置いていった父親がそんなことするはずないというキリギリ。試すなら勝手に試してみればいいという。ナエギはキリギリの名前を入力してみた。
まさかの「ゴゴゴゴ…」という音ともに、奥の扉が開いた。
部屋の中には怪しい箱が置いてあり、そこに一番に目が行く。キリギリは想像できているから、開けるなら叫んだりしないようにと警告する。
箱から出てきたのは骨だった(正直生首が出てくると思っていたけど…。それだと腐っちゃうか…)。
骨は父親の成れの果てだというキリギリ。アルターエゴの言っていた「学園長は30代後半でいまも学園にいる可能性が高い」、モノクマの言っていた「生きて足を踏み入れたのは16人」などの言葉から、父親が死んだ状態で学園にいると考えていたキリギリ。
でもナエギはその言葉が冷静を装った口調だと気づいた。想像が裏切られていてほしいと期待していたに違いないと。
部屋の中には子供の写真があった。キリギリの写真と思われる。過去を清算するためにここにきたはずなのに…と、怒りをにじませるキリギリ。勝手に消えて、忘れさせる機会すら奪う父親。そうキリギリは言う。
さらに部屋の中を捜索。机の引き出しから、緊急用と書かれた電生徒手帳が発見される。キリギリは、それが学園長権限の制限のないオールマイティな電子生徒手帳なのだろうという。キリギリは要らないので、ナエギが必要なら持って行けともいう。
キリギリはお願いを聞いてほしいという。少しの間一人にしてほしいと…。
ナエギは部屋からでて、改めて考える。学園長を殺したのは黒幕。そしてコロシアイが始まり戦刃むくろまで死んだ結果、残っているのは6人だけ。その6人の中に黒幕がいる…。しかし、それ以外の可能性があるはずだと。
ロッカールームに戻り、マスター電子生徒手帳をつかってロッカーを開く。右側から2番目のロッカーの中から、1冊の手帳が見つかる。そこには几帳面な女性らしい文字が書かれていた。
シェルターかされた学園で共同生活させる計画、その計画の発案者である学園長の父に話を聞いたというメモ。「天才を保護し、未来の希望とする計画、絶望に勝てるのは希望だけ、優秀な若者を穢れた世界から隔離することで希望へとつなぐ」。そんな学園長の話に対し、勝手で最低な父親と記されている。
キリギリの手帳だと思われるが、父親と幼いころ別れてから会っていないというキリギリの話と食い違う。混乱し、手帳をめくっていくと、最後に殴り書きを見つける。「絶望が紛れ込んでいる…だから私たちが生き残った…2人の絶望がいる」。まったく意味が分からない。
他のロッカーも開けていく。一番左のロッカーにも何か入っている。雑然としたロッカーだが、よく見ると水晶玉。さらにはタロットカード。
さらにノートを発見したが、そのノートには「葉隠康比呂」の文字。ノートにはしっかり授業の内容が書かれており、ハガクレが授業をうけていたかのようだ。しかし、この学園に来てから授業どころではなかったはず…。
キリギリとハガクレの持ち物がなぜロッカーにあったのか。わからない。その時校内放送でモノクマがヒントを出すので図書館に来るようにという。
体育館に向かうと、その前でハガクレに会う。モノクマのヒントを確認して戻るところだという。しかし様子がおかしい。ヒントについて聞いても、怯えるようにして逃げ去った。ロッカーのことも聞けなかった。
体育館に入ると、足元の封筒が最後のヒントだが、内容に関しての質問は受け付けないという。
封筒の中に入っていたのは1枚の写真。ナエギは写っておらず、マイゾノの後ろには戦刃むくろが写っている。お揃いの制服を着て、戦刃むくろまでいる15人の写真。
写真に自分が写っていないのはナエギ自身写真を撮られた記憶はないのだから当然だが、マイゾノ以外の生徒たちはこの学園に来て初めてであったはずだった。それなのにこの写真はなぜ存在するのか。
モノクマを問い詰めようとして、質問は受け付けないと言ったはずとキレられる。
写真からすると、以前から他の生徒はあっていたし、知っていたことになる。よくわからない。混乱する。でも、それならみんなに聞いてみるしかないとナエギは決意する。
まずは図書室でトガミと話す。しかし、怒り気味に話すことはないと言い捨てられ、いなくなってしまった。
植物庭園ではハガクレと話すが、驚き、怯えて逃げるように去って行った。
続いて生物室に行くと、フカワが倒れている。死んでいるのではないか?
と、思ったら起き上がったのはジェノサイダー翔。フカワに何があったかは知らないが、起きたら寒い部屋だったという。フカワと知識は共有していても記憶は共有していないということを改めて知らしめる。トガミが見当たらないことからトガミを捜しにすぐ出て行った。どうせジェノサイダーには聞いても無駄なので、あきらめた。
フカワが気絶した理由、死体安置所の死体が1体とびだしていた。そこにキリギリが登場する。廊下を走っていくジェノサイダーとすれ違い、フカワがくしゃみをしたのかと思ったらしいが、ここの様子を見てフカワが気絶したとわかったという。死体をもどすことにしようとキリギリはいう。ところが、死体に近づいたキリギリはこれが戦刃むくろの死体だという。
戦刃むくろも学級裁判の間に死体が運ばれてここに安置されたと思われる。キリギリが死体を調べるというが、ナエギは死体を調べるのは無理なので、周りを再度確認する。
そしてナエギもうっすら気づく。青ランプが9個だと。
前回、生物室に来た時にもビニールシートは調べたが、あらためて調べてみて、植物庭園で偽装工作に使われたものと確認する。
キリギリに話しかける。モノクマの写真について聞こうとしたが、その前にキリギリはヒントを聞きに行っていないと言い出す。どうせヒントは自分たちを惑わせるためのものだから。ナエギは黒幕の罠ということであれば、キリギリに写真のことは聞けなくなった。
キリギリはつづけて死体の確認結果を教えてくれた。ナイフの傷も後頭部の打撃痕も死後に受けた可能性が高いつまり致命傷ではないという。全身の多数の傷は古傷のはずとナエギは言うが、キリギリはここ数日の傷ではないだけで、古傷とは書かれていないという(いよいよエノシマだと確信)。キリギリは戦刃むくろが殺されたのがここ数日のことではないのではないか?可能性として。という。
ナエギは死体の身体的特徴について聞く。キリギリは暗記していたが、トガミから教えてもらった情報と一致しそう、フェンリルのタトゥーからも戦刃むくろだというのがキリギリの見解だった(でも電子生徒手帳で見られるエノシマの体形も一致してるんだよねぇ)。その後、敵である戦刃むくろの死体を放置して出ていこうとするキリギリに、死体を片付けようというナエギ。結局キリギリも手伝ってくれた。
そして最後にロッカールームで見つけた手帳について聞いておかなければならない。
ナエギはロッカールームでマスター電子生徒手帳でロッカーを開けたことを説明し、そこで見つけた手帳がキリギリの物ではないかという話をした。ロッカーが使えるようになったのは寄宿舎の2階に入れるようになってからなので、自分の手帳があるはずないというキリギリ。しかし手帳には「学園長である父」という言葉が記されていたとナエギは伝える。それを聞いてキリギリは思い当たることがあったようだ。なんらかの映像が本物?という謎の言葉。
キリギリは自分でロッカーを確かめに行くという。マスター電子生徒手帳をナエギは渡そうとするが、キリギリはそのロッカーは自分のロッカーに間違いないから自分の電子生徒手帳で開くはずという。そしてナエギには学園長の個室の隠し部屋で発見したというDVDを渡してきた。
最後に、と、キリギリが自分の心境を話し始めた。結局父親のことについては整理がつかず、自分の気持ちがはっきりしないという。それでも一つだけ確実なことがある。黒幕を許せないという気持ち。そのために先に進んでいくつもり。真実は一つしかない、それが「最善」でも「最悪」でも、どれだけ絶望的なことでもナエギには希望を失わないでほしいと言い残し、去っていった。
食堂でアサヒナと会う。しかし、アサヒナもナエギをみるなり慌てて去って行った。
つづいて視聴覚室に向かう。キリギリから受け取ったDVDを再生する。
数秒の真っ暗な画面のあと映し出されたのはマイゾノだった。面談とDVDに書かれていたが、おそらく学園長だろうと思われる人物との面談の記録らしい。この映像は契約書代わりに録画するということを伝える。その契約の内容は「この学園で一生を過ごすことになるかもしれない。承諾してもらえるか?」。これに対しマイゾノは逡巡した後「わかりました」と回答する。そうであれば学園長として全力で保護すると伝えたところで映像は終わった。
マイゾノはここを出たがっていたし、仲間と一緒に夢に挑戦したがっていた。だからこそ、ナエギを陥れて、学園から卒業しようとしていたはずなのに、この学園での一生を受け入れるというのは、どういったことなのか…。そのとき、映像の続きが始まった。
映ったのはナエギだった。自分には、面談の内容も、学園長と話をしたことも全く記憶にない。しかし、マイゾノと同様に学園内で一生を過ごすことについて了承していた。同様に学園長がいる限り全力で守るという約束をして映像が終わる。続いてトガミ、フカワ、アサヒナと同様に面談の記録は続く。さらにキリギリも面談をしていた。
キリギリの映像の最後で唐突に電源が切れる(ハガクレが出てこなかったことは意味がありそうだ)。モノクマが現れ、視聴覚室の設備が故障したようだという。当然モノクマが邪魔したのだろうと思うが、DVDの中身は同じような内容が続くと結論付けたナエギ(多分違うと思うけど)。キリギリだけが記憶を失っていたのではない。自分も、あるいは他の生徒たち全員も、記憶を失っていたのだろうか…。
そのとき校内放送が入る。終わりの学級裁判のはじまりが宣言された。
エレベーターホールにはナエギが最初に到着した。続いてキリギリ。心の準備はできているようだと声をかけられる。
つづいて、トガミ、ハガクレ、アサヒナと集まってくるが無言。というより敵意を感じるような視線。
最後にジェノサイダー翔がやってきて、一人で喚き散らしていたが、くしゃみをしてフカワにもどる。状況がわからないフカワ。モノクマは公正な学級裁判で勝って見せるといい、そのまま学級裁判を始めるために全員エレベーターにむかう。キリギリはみんなが疑心暗鬼になっているようだとナエギにいうが、その理由はナエギがわかっていそうなので、学級裁判ではっきりさせようと言いながらエレベーターに乗り込んでいった。
エレベーターはこれまでよりも深く深く降りていく。
到着したのはこれまでとは違う雰囲気の学級裁判場。モノクマは自分も参加し、空いている16人目の位置に入るという。今回は特別ルールということでルールの説明をする。戦刃むくろを殺した犯人を指摘し、学園の謎を解いた場合は残りの生徒たちの勝ち、そうでなければ全員処刑。キリギリは念を押す。自分たちが勝った場合はモノクマがおしおきとなるのか。モノクマはもちろんと答える。
始める前にとハガクレが発言する。黒幕は一人なのかと。自分以外が黒幕と組んでいるのではないかと言い出す。他の生徒も同様に疑いだす。その理由は集合写真だろうとナエギは指摘する。
ナエギは自分の持っている集合写真を見せる。
アサヒナも集合写真を見せるが、そこにはアサヒナ以外の15人が写っていた。
ハガクレの集合写真にはやはりハガクレだけが写っていない。ナエギは受け取った本人だけが集合写真に写っていないことを指摘し、それにより自分以外の全員が黒幕とつながっていると見せて疑心暗鬼にさせる黒幕の罠だと推理した。
トガミが自分が受け取った集合写真を見せてやろうと出したものにもトガミだけが写っていなかった。これらの写真にナエギはなにか不自然さを感じるが、わからない。
それぞれ、自分がこんな写真に写った覚えもなく、捏造写真なのだから見る価値もないというハガクレに対し、モノクマは本物だという。
ナエギは可能性として全員の記憶がなくなっていることが理由ではないかと言い出した。
その証拠として、ナエギはキリギリから受け取ったDVDを提示した。そこには全員の学園長との面談の様子が映されているが、皆が映っているということを説明し、全員が記憶喪失である根拠であると披露した。
アサヒナもハガクレもそんな面談したことがないというが、トガミはそれが記憶喪失の証拠と言うのであれば反論はできないという。そして冷静にその面談の内容をナエギに尋ねる。
ナエギはこの学園で一生を過ごすことについて全員が承諾する内容だったという。信じられないフカワ、ハガクレ。しかし、信じないことには話が進まないと諭すキリギリ。
そのときモノクマがいう。それが正解だと。ナエギはそれに対し、記憶を奪ったのはモノクマだろうと迫る。どうやってと迫るフカワに、「どうやって」やったか答えても意味はないと突き放すモノクマ。トガミが「どうやって」ではなく「どんな」記憶を奪ったのかが重要だと指摘する。モノクマが知られたくない記憶、そしてそれは殺し合いの為に用意した動機にも関係するという。
ただ、モノクマは「戦刃むくろ殺しの学級裁判」だという。まずは戦刃むくろの殺害犯人を突き止めなければならない。ナエギは戦刃むくろを殺した犯人である黒幕の正体を明かさなければならないと考える。まず黒幕についてはモノクマの操作部屋があったことから、学園内に黒幕がいるのは確実だと主張する。
それであればクロマクの正体を明かす必要があるというトガミ。黒幕はこれまでのモノクマの発言から16人のだれか。黒幕の正体について短絡的に見つけようとするハガクレだが、キリギリに戦刃むくろ殺しの謎を突き止めれば自然とはっきりするとたしなめられる。
これまで戦刃むくろについて散々話し合ってきたために、何を議論すればいいかわからないというフカワ。そこでキリギリは致命傷について持ち出す。ナエギは本当の致命傷は無数にあった身体の傷だと主張した。
キリギリはそもそも戦刃むくろの死体が発見されたのは死後しばらくたっていると説明する。全身の傷についてはその時のものだというが、フカワはここに来る前にあったものだと反論する。戦刃むくろが「超高校級の軍人」だったから。しかし、戦刃むくろのプロフィールには入学時身体に傷一つないと書かれていた。
キリギリも腹部の傷、後頭部の傷は死後の傷だったと説明した。そこでトガミは前日の晩にナエギを襲ったのは誰かと問う。ナエギはそれが黒幕であり、戦刃むくろの死体に偽装工作をしたと主張する。
そこでモノクマが口をはさむ。覆面の状態で顔がわからないのに中身は分からないだろうと。モノクマとしてはナエギを襲った覆面は戦刃むくろだという。しかしナエギは死体の右手にあったタトゥーが自分を襲った覆面の右手にはなかったことを指摘する。モノクマは、ナエギを襲ったのが戦刃むくろではないとすると誰なのかと問う。トガミは4人が体育館で一緒に作業をしていたことから4人は違うと言えると主張。モノクマはそれならキリギリの可能性があるといいだす。
それなら証拠を見せるとキリギリは言う。そして右手の手袋を外した。その手はひどいやけどだった。探偵を始めた未熟な頃にやけどを負った時のものであり、ナエギを襲った手とは明らかに異なっていた。結局、ナエギを襲ったのは黒幕。モノクマはしょうがないという感じで認めるが、それでも戦刃むくろの殺害についての犯行は依然としてわかっていない。
死体が以前に殺されていたとして、それが自分たちが学園に閉じ込められる前から殺されていたことはないのかトガミは確認をする。モノクマはコロシアイ学園生活が始まってから殺されたことに間違いはないという。ではその間どこに保存されていたのかというハガクレ。もちろん生物室。ビニールシートにも生物室のスタンプが押されていたので、死体が生物室から運ばれた根拠でもある。
死体をビニールシートで運んだ証拠はあるのかというモノクマに対し、推測でしかないというキリギリ。それでもモノクマがそんなことを言うのは焦っている証拠だという。そもそも生物室に正体を暴く鍵が隠されているのだから。そこに大きな矛盾があると主張する。
キリギリの主張にわめきだして妨害しようとするモノクマ。ナエギは矛盾点について考えようとする。そのときモノクマがナエギの家族について切り出す。ナエギの家族がどうなっているだろうかと。最初にナエギが渡されたDVDのことをナエギは考え始めるが、キリギリは惑わされるなと制する。
気を取り直したナエギは死体安置装置のランプについて言及する。使用中の冷蔵庫はランプがつく仕組みだったが、それが9個点灯していたがそれはこれまでの死体の数と一致しないと明かす。本来なら10個のはずであると。すると1体消えていることになるが、もし黒幕が隠すとすれば戦刃むくろを隠すはず。しかし戦刃むくろの死体は存在していた。
ではだれの死体が消えたのかというアサヒナ。キリギリは殺人は10回だが、犠牲者は9人だったと意見した。ナエギは同じ人物が2回殺されたのではないかと考えを示す。キリギリは2回殺されたのが「戦刃むくろ」だと断言する。戦刃むくろとして殺される前に別の誰かとして殺されたのだと。
それはエノシマではないかとナエギは意見を述べた。全身の傷という特徴はエノシマが最初に処刑されたときの傷と一致するのではないか?
トガミはエノシマとして殺された死体は戦刃むくろとして再び死体として発見され、死んだと思われた人間の中に実は生きている人間がいると整理する。それが戦刃むくろなのではないか?
しかし、戦刃むくろの死体は戦刃むくろのプロフィールと一致していた。フェンリルのタトゥーもあることから、最後の死体は戦刃むくろ自身に間違いない。だとすれば生きているのはエノシマの方となる。
トガミはいう。エノシマが生きているとするなら演技だったということになるが、死んだことは確かめているだろうと(なんでそういう論理展開なのかわからん。同じ人物が2回死んでいるって言ってるのに)。ナエギは確かに死んでいるのを確かめたことを思い出す。
どちらも死んだことを確認しているはず。もしエノシマが生きているとしたらどうやって生き残ったのかを考えてみるといいとキリギリはいう(なぜエノシマが生きている方を検討するのか、誘導はちょっと強引だね…)。
ナエギが考えた出した推論はエノシマが別人と入れ替わっていたということ。もちろん戦刃むくろと。よくよく考えていくと自分たちが最初に出会った時にすでに入れ替わっていたのではないかと。
エノシマだと思っていたのは戦刃むくろだった?そこでアサヒナが気づく。エノシマの右手にはタトゥーなどなかったと。キリギリはいう。ファンデーションなど手隠していたのだろうと。それが植物庭園で爆発の消火により落ちて見えるようになったと。さらにつけ爪も一緒だったと報告するキリギリ。
そこでフカワが気づく。ファンデーションを使っていたのなら、ナエギが襲われたときも同様だったはず。しかしキリギリはフカワがそれに気づいたのが今でよかったという。すでにその件についてはモノクマが認めたのだから黒幕で確定したのだという。これだけ手の込んだ計画ができたのは2人が組んでいたからだと指摘する。
指摘に対し、怯えや恐怖は希望があるから持つ感情であり、絶望しかない黒幕には無縁だというモノクマ。自分がエノシマではないという。だったらなぜ本物のエノシマの素性を隠したのかと詰めるナエギ。しかし、モノクマはいつ素性を隠した?と問い返す。
ナエギはしかし、1回ではなく2回、モノクマがエノシマの素性を隠したと考えている。1回は面談のDVDを見ていた時。全員の面談の内容を確認する前に、設備の故障として止められたこと。それは本物のエノシマを見られたくなかったため。しかしそんなのは偶然だというモノクマ。
もうひとつ証拠があるというナエギ。それは集合写真だった。なんらかの不自然さを感じていたが、それぞれの集合写真は全てエノシマの顔が隠されていた。戦刃むくろは写っていることから、エノシマは入れ替わってはいなかった。つまり、集合写真のエノシマは自分たちの知っているエノシマではないということになる。
エノシマは戦刃むくろと入れ替わっており、それが「超高校級の絶望」と呼ばれる黒幕の正体であると断言する。
戦刃むくろが2度殺されるまでを振り返るナエギ。事件の全貌が明らかになったというナエギ。なにも答えないモノクマ。他の生徒もモノクマに観念するように言葉を浴びせる。
するとモノクマはまだまだ終わりではないといい…。
ついに正体を現す。
突然、自分の配下になるなら世界の半分をあげると言い出す。まともに断ると、そんなのジョークに決まっていると突き放す。毎日毎日モノクマを演じ続けるのが、飽きっぽい自分にとって苦行以上の自殺行為とのたまう。
そしてエノシマの顔。見覚えがあった。
それは雑誌で見ていた顔と同じだった。
最初に会った時、印象が違うと思ったが、本人からは雑誌用に加工していると聞いていた。しかし、そばかすだらけの顔が印象が違っていたのは、加工なんかじゃなく、入れ替わっていたから当然。
エノシマはいう。アタシはアタシ、むくろはむくろ。いくら盛ったとしても、超高校級のギャルにはなれない。肉体と意識の壁がある限り決して一つにはなれない。双子だとしても。と。体力自慢の姉と天才でかわいい妹の自分。双子あるある設定は恥ずかしすぎるという。
自分たちは「超高校級の絶望シスターズ」だと。エノシマの性格が変わったように感じる。絶望的な飽きっぽさで自分のキャラにもすぐ飽きるという。苗字が違うのはなぜというフカワの質問にも勝手にな想像しろ、それが正解でいいという。姉を殺した理由、特にないという。
またキャラが変わり、やはり説明するという。今回の計画ではコロシアイ学園生活を裏でコントロールする役目は必須。だが一人で傭兵団に入るような残念なお姉ちゃんではその責務は果たせない。だから表はお姉ちゃんに、裏は自分に。ただ「超高校級の軍人」は絶望的に社会ニーズがなく「超高校級のギャル」には華もあり捨てるのがもったいない。だからむくろに入れ替わらせた。ただ、絶望的に似ていなかった。ビジュアル的にすぐに殺されそうなので殺した。ついでにもう一つの殺した理由は飽きたから殺した。
計画はするけど、計画しただけで飽きる。だから予定を変更して見せしめ役で殺した。
キリギリはむくろが殺されたのは一方的な裏切りで、むくろ自身は明らかに予想外だと思っていたと振り返る。
むくろが処刑されたとき、「おかしくない…?なんで…あたしが…?」という言葉はエノシマにむけた言葉だった。
自分の姉を犠牲にしてなぜ平気でいられるのかと問い詰めるナエギ。
自分たちは「超高校級の絶望」。生まれた瞬間から絶望。死ぬとか殺すことは大した問題ではない。常に絶望しているから命を惜しまない全力投球なのだからと答えるエノシマ。
大好きな姉を実の妹が殺すなんて超超…超絶望的でカイカン。姉は実の妹にただの見せしめとして殺されて、絶望的に死んでいったかと思うと羨ましい。それがエノシマの感情。
トガミは変態と一蹴し、キリギリは究極の絶望フェチで厄介と評し、ハガクレはジェノサイダーとは別方向のイカレっぷりと驚く。エノシマは勝ち誇るのは記憶の秘密を解いてからにしろと言う。ハガクレが単刀直入になんの記憶を奪ったのだと問いかける。エノシマは奪った記憶は「ある事」と関係していると応える。
殺し合いをさせる「動機」が奪われた記憶と関係している。
最初は人間関係を動機にコロシアイをさせ、2番目は思い出、3番目は欲望、4番目は裏切り。それぞれの動機を作りコロシアイの状況を作り出した。
人々はコロシアイに走ることで世界に絶望をもたらす。そして絶望は「あるもの」によって成長する。それは希望。希望があるから絶望も育つ。表裏一体紙一重。そんなことをエノシマは説く。
長いエノシマの話にしびれを切らすトガミ。自分たちの記憶の話と関係ないと詰める。
しかし、エノシマは関係しているという。記憶を奪うことで希望を与える。「ここを出たい」と思うことは希望。そう思ってもらわないとコロシアイは始まらない。
記憶を失ったから「ここを出たい」となったのであれば、記憶があったら「ここを出たくない」につながる?トガミは問う。
もっともっと絶望してほしい、せっかく希望を糧に育ったのだから、出血大サービスで外の世界を見せてあげるという。やはり外の世界に何かが起きている。
様々な破壊、暴力、殺戮の世界が映像で映される。わけのわからない世界。
しかし、その映像の意味はみんな知っているはず、奪われた記憶にあるというエノシマ。それでも誰も思い出すことはできない。
しかし、ナエギはある事に気づく。フカワとジェノサイダー翔は知識は共有していても記憶は共有していない。もしかしたらジェノサイダーはなにか知っているのかも。人格を入れ替えることを嫌がるフカワだが、トガミが「お前だけが頼りだ」と言ったとたんにくしゃみをして入れ替わった。
入れ替わったジェノサイダーは状況はよくわかっていないが、黒幕であるエノシマと挨拶をかわし、トガミから映像について知っているかを問われると、控えめに言ってもちろん知っているという。なぜいままで黙っていたのかと問い詰められると、聞かれたことしかしゃべらない無口な性格だからとべらべらしゃべる。
あの映像はなんだとトガミに問われたジェノサイダー。答えは「人類史上最大最悪の絶望的事件」。事件が起きたのは1年前、殺人鬼も真っ青な事件、人災と言うより天災。その結果あんなふうになった。以上。ジェノサイダーはそれ以上は知らなかった。リアルで見ていたのはフカワだったから。
経過などどうでもいい、重要なのは結果。世界は終わったのだと。絶望ついでにトガミに話しかけるエノシマ。
トガミの心の支えである十神財閥は親族関係者全員が死亡し、十神家は全滅したと断言する。「超高校級の御曹司」ですらないと言い捨てる。
世界は1年も前に終わっているというエノシマ。
しかし、ナエギは疑問を持つ。自分が学園に来たのはせいぜい数週間前だったはず。1年前の事件なんて知らない。
ところがエノシマはそれは2年前のことだと言い出した。
エノシマのいったことから判断していくと、それが信じられないことだとしても入学以降の2年間の記憶をすべて失ったと判断したナエギ。
そんなことあるわけないと否定するハガクレやアサヒナに対し、2年間の学生生活を行っていたことを明かすエノシマ。
その証拠としてナエギはハガクレにロッカールームで発見したノートを提示する。中身を見たハガクレは完全に自分の字で書かれた、でも記憶にない授業のノートだと認識する。キリギリも記憶にない自分の手帳を発見していたことを明かす。
証拠もそろって謎が解けて、絶望的な雰囲気を喜ぶエノシマ。楽しい学園生活をしていたことをすべて忘れ、1年前の人類最大最悪の絶望的事件で世界が終わったという絶望も忘れたうえで、コロシアイ学園生活に挑んだ生徒たち。
もう一つ教えてあげる、正確にはみんなの記憶が失われたのは…。ここまで言いかけて、急に態度を変えるエノシマ。説明するのに飽きた。もう飽き飽きだと。刺激的な絶望に身をゆだねられる自分たちが羨ましい。だから自分たちで記憶の接合点はどこなのか考えろという。
記憶は入学式の日の直後、机で目覚めたのが玄関ホールで倒れた直後だと思っていたが、そこが2年後だった(くどい…)。その時点では実際には2年間を一緒に過ごしていたにもかかわらず、初対面と勘違いして自己紹介などした。
失われた2年間の学園生活。集合写真はその学園生活を意味していた。そんな仲良く共同生活をしていたクラスメイトたちと、記憶を失った後は、絶望的に滅びた世界なんかに出たいがためにコロシアイをしていた。
それを仕向けたのはエノシマだろうと食って掛かるナエギ。そんなみんなが大好きなので、「超高校級の絶望」シスターズが練った「人類絶望化計画」を教えてあげるというエノシマ。
2年前、みんなが入学して1年は平和で希望に満ちた学園生活だった。
しかし、1年後人類史上最大最悪の絶望的事件により、学園の生徒はほぼ全滅。そこでキリギリが口をはさむ。そんな事件をエノシマと戦刃むくろだけでできるはずがない。超高校級の絶望とは何なのか。組織なのか集団なのか家族なのか。
それは観念的なものだとエノシマはいう。絶望は伝染し、誰もが絶望し、滅びた世界は絶望であふれる。絶望が敵と言うのなら、世界そのものが敵なのだと。そして、話がそれたので戻すと。
絶望的事件により、生き残ったのは第78期生といわれるみんなだけ。そして、そのみんなを守るために学園のシェルター化が始まった。
シェルター化を計画したのは学園長であり、だからこそ映像のような約束をさせた。
学園長は次世代の希望さえ生き残れば世界はやり直せる。そう考えていたようだったが、誤算があった。
次世代の希望だったはずの生徒たちの中にすでに超高校級の絶望が2人も紛れ込んでいた。そしてシェルター自身も生徒たちが出られない檻にもなった。シェルターは生徒たち自身が学園長と協力し作ったもの。自分たち自身で閉じ込めて、自分たちで勝手に閉じ込められたと騒いでいたのだと。
エノシマとむくろは2年前から人類絶望化計画のクライマックス、コロシアイ学園生活にむけてもぐりこんでいた。コロシアイをするためだけに生かされていた。これはいわば残党狩り、残った希望をすべて終わらせるためのコロシアイ。少しだけ残っている希望を捨てない未練がましい連中に見せつける。
電波ジャックにより、コロシアイを見せつけることで絶望は伝染し、残った希望は絶望に代わるのだと。
放送中に、希望をもった連中が生徒たちを助けにきていたが、校門に設置した重火器で「死」という最後の絶望により、排除したというエノシマ。
同じ学園のクラスメイトを選んだのは、大好きだったから。うそ。その方が絶望がより大きくなるから。そしてあえて学級裁判で自分たち自身で謎を解かせ、絶望的な真相を見せつけることが真意。
絶望的な世界で、動機としていたものは世界が終わった今となっては無意味であり、そんな無意味なもののためにコロシアイをしてきた。自分たちで閉じ込めて、そこから出るために2年間一緒に暮らしてきたクラスメイトとコロシアイをしてきた。
絶望に打ちひしがれる生徒たち。命乞いをするハガクレ。
命乞いをしても意味はないというエノシマ。求めているのは純粋に絶望であり、そこに理由もないのだから、対策も理解もできない。それこそが超高校級の絶望。
それでも、と、ナエギは言う。自分で確かめていない世界など、真実だと認めない。エノシマなんかに屈しない、エノシマに殺されたみんなの為にも。
自分が殺したわけではなく、勝手にコロシアイをしたのは生徒たち。背中を軽く押しただけ。その程度で殺しあうなんて、希望だのなんだのと言っても簡単に絶望するのが人間なのだと。
それはコロシアイではなく、一方的な殺人だというナエギ。記憶を奪い、動機をでっちあげて皆を追い詰めた。すべてはエノシマのせいだと詰めるナエギ。
エノシマはそろそろおしゃべりの時間はおしまいにして、学級裁判をしようという。最後の投票を。ルールも最後なので変更。どちらがおしおきをされるべきか。希望のおしおきか絶望のおしおきか。希望のおしおきを望む者が1票でもいれば、希望側のおしおきを行うルール。ただし、エノシマは投票には参加しない。ちなみに、希望側のおしおきはこの学園で全員老衰するまで穏やかに緩やかに生きてもらうこと。つまり、このまま生き延びられるということ。
希望側のおしおきが気に入らなければ、エノシマにおしおきをして外に出ていけばいい。絶望の世界で簡単に死ねるだろうという。
ところが、そこでやはり老衰だけのおしおきはやめることにする。希望のおしおきを望む者が一人でもいた場合は1人だけはおしおきを受けたうえで残りの者は老衰してもらうといいだした。その1人は反抗的なナエギ。希望のおしおきならナエギが処刑。絶望のおしおきならエノシマの処刑のうえ、全員学園から出ていく。これを投票することになる。
ナエギを犠牲にすれば生き残れるというエノシマ。学園長の願いも、みんなが生き延びることだったはず。最後の議論でナエギはみんなを納得させる必要がある。そして投票が始まる。
ハガクレを説得し、
アサヒナを説得し、
ジェノサイダーを説得し、
トガミを説得し、
キリギリを説得し…。
そんなナエギに幸運や不運でこの学園に来たのではないというキリギリ。超高校級の絶望を打ち破る、最後まで絶望に立ち向かう「超高校級の希望」。それがナエギなのだと。
この状況を否定しようとするエノシマ。
ナエギはつづける。あきらめも、飽きも、捨てたりもしない、絶望もしない。自分の唯一のとりえは前向きであること。
最後のマシンガントークバトルだけはノーダメージ無理だった。
トガミの言葉で投票タイムがきた。
おしおきはエノシマに決定する。
信じられないエノシマ。
自分への絶望に…エノシマは…喜んだ。これ以上ないほどの超絶望。生まれてこの方ずっと絶望的で、生まれた瞬間から飽きていて、人生でたった1度のイベント、最初で最後の超絶望である死を楽しみに楽しみに待っていたのだと。計画の失敗という最大の絶望で味わえることが絶望的に幸せだと。負けとかどうでもいい。どうせ外も絶望、ここにいても絶望。どこに至って一緒なのだからと。
それでもトガミはいう。自分たちは絶望をもはや恐れていないと。アサヒナが続く。自分たちは希望をもって外に出ていくと。キリギリは言う。絶望が伝染するとエノシマはいうが、希望だって同じ、伝染するのだと。
エノシマはそれでも、これから先、次々と絶望は立ちはだかるし、希望と絶望は紙一重だという。
エノシマが自分を処刑するつもりなのか問うキリギリ。ナエギは別に死んでほしいなどと思っていないという。
エノシマは邪魔するなと言う。人生で1度しか味わえない死の絶望を楽しみにしているのだから。
そして、エノシマは自らおしおきのボタンを押す。
過去の処刑をすべて受けたエノシマ。
全てが終わった。学級裁判も、超高校級の絶望も、学園生活も。
チャプター6。終了。
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